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カーボンファーミングについて

GX用語 カーボンファーミング

大気中の二酸化炭素(CO2)を土壌に取り込んだり、耕作に伴う温暖化ガス(GHG)の排出を削減したりして、地球温暖化の抑制をめざす農業手法。農地を耕すことで地中の炭素が大気中に放出されるため、耕さない「不耕起栽培」が基本とされる。土壌に貯留する炭素量を増やし、人間の経済活動による大気中へのGHG排出と相殺することを目指す動きもある。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、人間の活動に伴うGHG総排出量は世界で年520億トン(07〜16年平均、CO2換算)。このうち農業は11.9%を占める。2050年までにネットゼロ(GHG排出実質ゼロ)にする目標などの達成に向け、大気中のCO2を吸収できる土壌づくりが重要となる。従来の農業では農地を耕すことで不要な植物を死滅させ、大量の肥料を投入して作物を栽培しやすくしていたが、同時に地中にある炭素が大気中に放出されることにもつながっていた。カーボンファーミングでは不耕起栽培を軸に、有機肥料の活用などで温暖化につながる化学肥料の使用をできる限り削減する。土壌中への炭素貯留につながるとして、土壌改良材であるバイオ炭の利用も進む。カーボンファーミングに注目が集まったきっかけは15年にパリで開催された第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)でフランスが提唱した「4パーミル(1000分の1)イニシアチブ」。全世界の土壌に貯留される炭素量を毎年0.4%ずつ増やせば、大気中に放出されるGHGを相殺できるとされている。

分類

欧州議会によると、カーボンファーミングは主に5つに分類される。①泥炭地の再湿潤化・回復②農業や林業、畜産業を組み合わせるアグロフォレストリー(森林農法)③土壌の有機炭素量の維持・向上④家畜やふん尿の管理⑤農地・草地に肥料をまくタイミングや量の見直し――。これらの施策により、土壌の炭素貯留を促したり、GHG排出を回避・削減したりする。カーボンファーミングを対象とするクレジット市場も広がりつつある。欧米では農地貯留のカーボンクレジットを取引する自主市場が生まれ、農家の新たな収入機会創出につながっている。大企業もカーボンファーミングに着目し、米マイクロソフトはアグロフォレストリーやバイオ炭のプロジェクトと契約を締結した。一方、カーボンファーミングによる中長期的な収穫量などへの影響はいまだ不透明な部分が大きい。土壌中の炭素量は気候などによって変動することから正確な測定手法が確立されておらず、炭素貯留量が過大に評価されてしまう懸念も残る。また欧州連合(EU)では農業の脱炭素政策に対する抗議活動が頻発し、政策の一部を撤回しており、農家の理解を得る努力も欠かせない。

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